私たちはその「白藤種」復活の試みを平成15年から始めました。
2004年度のわずか800粒ほどの種籾から、4年間の試行錯誤を経て、ようやくお酒を仕込める量を収穫するに至りました。「白藤」を栽培していただける農家の輪も広がりを見せつつあります。
新潟醸造試験場誌によれば、昭和初期に「白藤」と「亀の尾」の醸造適正、そして出来上がったそれぞれの官能評価(きき酒鑑評)が行われました。
それぞれのお酒の評価は、
●「白藤」で造られたお酒は「淡口に感ずれども口中のサバケよく酒質良好」
●「亀の尾」で造られたお酒は「いくぶん荒き感あれど芳香ありて酒質良好」
などの記述があります。
また、一般的評価としては、
●「白藤種」による酒:香気やや低き感あるも、風味に富み、肌濃かにして口中すべりよし
●「亀の尾種」による酒:押味強くして口中荒き感なきにしろあらずも、香気ありて男性味あり
などの評価があります。
まとめとして「いずれもおのおの特長を有するもののごとし」というところでした。
評価としてはそれぞれの良さと特性があり、軍配はどちらにも上がらず人気を二分していたようです。
にもかかわらず「亀の尾種」が主流となり、その「亀の尾種」も「五百万石種」に取って代わられたのは、世の中の流れが大粒米を要求する流れになったこと、農家の人が作りやすい背丈の短い稲が主流になったことが上げられます。
四半世紀(約75年間)を経て、ようやく蘇った伝説の酒米「白藤」
それは農家の方々と我が蔵人たちの四季を通じて働く姿の結晶でもあります。「白藤」のたわわに実る田園風景、古きよき越後の農村風景「白藤郷」を思い浮かべつつ、ご賞味願えれば幸いです。 |